月雲ねる / 雨色ホログラム
「今さら夢?」
「あっ..えっと..昔の将来の夢ってなんだった?」
「漫画家かなぁ」
「へぇ~漫画家、そうなんだ。でもなんで諦めちゃたの?」
「え~なんでって..でもそもそも無理でしょ。所詮子供の頃の夢だよ」
「そっか」
私はアイドルになりたい。と言ったら彼女はどんな顔をするだろうか。
夢に賞味期限があることを知ってしまったから。だから踏み出す。ほんの少しの勇気を持って。
「演じまスウィーニー」プロジェクトの第2弾で、前作に引き続きドラマ仕立てのMVになっている。演技は全員初挑戦で、雨色ホログラムでメインを務める月雲ねるは
演技については一切言及しません😑
— 月雲ねる (@tsukumoneru) November 6, 2018
大事なのは曲なので!!!!!曲!!!!!
と綴っていた。
確かに拙い部分もあるが、セリフの無い表情だけで魅せる演技は素晴らしく、MVの世界観にグッと引き込まれる。そして何より可愛い。ねるちゃんめちゃくちゃ可愛い。もぐもぐシーンとか暴力的に可愛い。
それに、このねるちゃんの発言はある意味企画の本質を突いている。
この「演じまスウィーニー」という企画の本質は、個々のバックグラウンドを一番わかりやすい形でアーカイブすること。そしてMV全てに共通するテーマは"過去との決別"であり、それはデビュー曲「FINALegend」の"今までどうもありがと"に帰結する。
そう、これはプロローグにすぎないのだ。
月雲ねるは人を惹きつける不思議な魅力がある。なんとも漠然とした表現だが、今まで存在したどのアイドルのキャラクターにも当てはまらない魅力がある。と思ってしまうのは"推し補正"というやつだろうか。でも実際「月雲ねる」はどんな人か?という質問を投げかけたら、人によって全く違う答えが返ってるのではないだろうか。見る角度により異なる魅力を放つ。まさに"ホログラム"という単語は彼女にピッタリだ。
以前KawaiianTVで放送されたバラエティー番組「IDOL♡アカデミー(K・U・T )ノ爆 (ブースト) #43」にCYNHNがゲスト出演した際、月雲ねるが(MCで)喋ってくれない、とメンバーに指摘され、その喋らない理由を聞かれたときに、彼女はこう答えた。
「みんなが喋った方が楽しいかなと思って。」
CYNHNは個性派揃いで、ボケ5、ツッコミ1、MCはカオスで、百瀬怜の言葉を借りるなら、個性と個性のぶつかり合い。である。
そんな中、みんなが喋った方が楽しい。という発言も頷けるし、一歩引いて冷静にグループを見ているのも月雲ねるらしいなと思った。
ただこれはトークやMCでの事で、パフォーマンスとなれば話は別、ライブにおいてはメンバー全員から頼られる存在だ。というのも、月雲ねるはメンバーの中で最もステージ経験が豊富だ。彼女はCYNHN結成時点で既に2つのユニットに所属しており、一時期は3つのユニットを掛け持ちしていた。
#DSSC2017 ショーケースありがとうございました!LINELIVEで見てくれた方も!いかがでしたでしょうか、、!ディア☆、平熱35.8℃としてライブをさせていただき、新ユニットCYNHN(スゥイーニー)のお披露目もありました〜!これから3つのユニットぜんぶがんばります! pic.twitter.com/GJkef4EpSD
— 月雲ねる (@tsukumoneru) June 25, 2017
その当時の心情を自身のレギュラーラジオでこんな風に語っていた。
百瀬「掛け持ちしてたんだよねグループを。ねるちゃんは2つ既存でやっているグループがあって、そこでCYNHNを新しく結成するとき、ねるちゃん入れましょうってなってね。3つ掛け持ちをしてたんだよね、初期は」
月雲「だからなんか居ないときとかあったじゃん。だから、溶け込めてんのかな?みたいな。居場所が分からなかったけど。今は全然思わないけど」
2018年7月5日OA「CYNHNの歌いまスウィーニー」
芸能経験が無い者が集まり始まったCYNHNだが、月雲ねるだけは異なる境遇にあり、他のメンバーと共有できない様々な葛藤があったのではないだろうか。
そして、百瀬怜の「CYNHNを新しく結成するとき、ねるちゃん入れましょうってなってね」という発言。ラジオという限られた時間の中で簡潔に説明した結果、こういう言い回しになったのかもしれないが、この部分だけ切り取ると、5人は既にグループ加入が決まっており、月雲ねるが最後に加入することが決まったようにも捉えられる言い方だ。そう考えて雨色ホログラムMVを観ると、最後、月雲ねるが既に衣装を身にまとった5人の後を追うシーンは、ものすごく意味があるように思えてくる。
個人的におもってることなんだけど、公式からすべて公開されると興味なくしちゃうんだよね オタクだから考察したがってしまう 意味深くらいがいいの
— 月雲ねる (@tsukumoneru) October 29, 2018
これは何事もそうだとおもわない?そのほうがもっと知りたいとおもっちゃう
グループの在り方やバランスなど、今も昔も"みんな"のことを一番考えているのは、月雲ねるなのかもしれない。
雨色ホログラムMVの見どころを聞かれた彼女はこう答えた。
「"みんな"の笑顔を見て欲しいです。」