憂鬱日和

アイドル楽曲大賞2019に投票しました

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第8回アイドル楽曲大賞2019

 

■メジャーアイドル楽曲部門

1位 CYNHN「ラルゴ」

作詞作曲:渡辺翔 編曲:清水哲平

Dr:KOZO(Wienners)という豪華な布陣で制作されたラルゴ。

歌詞は彼女達の人生を描き、自分らしさを、過去を、そして明日を生きてゆくことを全肯定してくれている。

 

 「怖いだとか 不安だとか 全部それでいいんだよ」

 

とても真っ直ぐで、決して誤魔化したり背伸びしたりしない。決して器用ではない彼女達だけど、だからこそ私たちはその姿に自身を投影し、共感してしまうのだと思う。
 

2位 sora tob sakanaflash

アルバム『World Fragment Tour』も素晴らしかったけど、個人的にはflashが一番好みでした。

1番と2番の歌い方のギャップが素敵。

歌唱力のみならず、表現力の成長を感じられる一曲。

 

3位 マジカル・パンチライン「今日がまだ蒼くても」

これを聴いてマジパンってこんなにボーカル力があるのかと驚いた。

爽やかで聴き心地が良くて何度も聴いちゃう。これ嫌いな人います?
あと単純に音が良い。

 

4位 Pimm's「Like a Sunflower」

つい口ずさみたくなるサビがいい。

山口紗弥さんのラップがちゃんとアイドルラップで最高。めちゃくちゃかっこいい。
最後の「ララララ」に重ねてのラップとかほんと最高。グループにラップ担当がいるっていいですよね。

 

5位 lyrical school「Tokyo Burning」

トラックが好きすぎる。Tokyo Burningは聴き手の感情を選ばないというか、いつどんなときに聴いてもいいんですよね、不思議。

 

 

インディーズアイドル楽曲部門

1位 ZOC「family name」

平成最後の日にリリースされたfamily name。

2019年というより、自分の中で平成を代表する一曲と言っても過言ではないくらい自分にとって大切な楽曲。
香椎かてぃさんが「family nameを毎回歌うと涙が出そうになる。この6人でここまでこれて良かった。」と言っているのを聞き胸が熱くなりました。

 

2位 鶯籠「若者のすべて

「友達じゃないけれど 友達よりもずっと大事かも」って歌詞が素敵。

メンバーはプライベートでは一切会わない、LINEすら知らないみたいだけど、鶯籠という絆で結ばれていて、互いが互いを想い合っている。そういう関係性ってなんだか羨ましい。
嵐の活動休止会見で、松潤が「家族とも違うし、友達でもない。なんか、それ以上なんじゃないですかね」と言っていたのを思い出した。メンバーって素敵な関係性だ。

 

3位 Task have Fun「逆光」

ため息が出るほど美しい。

TIFのスマイルガーデンで聴いた逆光が脳裏に焼き付いている。

 

4位 RYUTist「きっと、はじまりの季節」

ピアノ、ギター、ストリングス、4人の歌声、全てが美しい。

 

5位 RAY「バタフライエフェクト

ドッツの運営チームが活動をサポートしているって聞いて、あぁ結局ここにたどり着いてしまうんだなぁと。

 
■アルバム部門

1位 CYNH「タブラチュア」

 

2位 鶯籠「PAN」

 

3位 sora tob sakana「World Fragment Tour」

 
順位をつけるとこの3枚になるんだけど、今年はいいアルバムが多かった印象。
染脳ミーム『Endemic』Q-pitch『悲しみ、苦しみ、綺麗。』アクアノート『アクアノオト』cana÷biss『カルマ! カルマ! カルマ!』など。

 

 

■推し箱部門

CYNHN

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2018年MYベストアルバム20

 

12月は一年の中でもっとも音楽を聴く月で、いろんな方の年間ベスト見るのが楽しみで、知らない曲を片っ端から聴くというのが毎年の恒例となっています。

一応順位をつけましたが、全部一位みたいなもんです。

 

 

 


1 カネコアヤノ 『祝祭』

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2 羊文学 『若者たちへ』

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3 きのこ帝国 『タイム・ラプス』

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4 星野源 『POP VIRUS』

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5 Mime 『Capricious』

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6 indigo la End 『PULSATE』

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7 Homecomings 『WHALE LIVING』

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8 シャムキャッツ 『Virgin Graffiti』

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9 eill 『MAKUAKE』

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10 Shiggy Jr. 『DANCE TO THE MUSIC』

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11 Perfume 『Future Pop』

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12 Analogfish 『Still Life』

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13 Halo at 四畳半 『swanflight』

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14 teto 『手』

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15 Helsinki Lambda Club 『Tourist』

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16 ネクライトーキー 『ONE!』

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17 ヒグチアイ 『日々凛々』

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18 ものんくる 『RELOADING CITY』

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19 TENDRE 『NOT IN ALMIGHTY』

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20 崎山蒼志 『いつかみた国』

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月雲ねる / 雨色ホログラム

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「ねぇ、ミサキの将来の夢ってなに?」
「今さら夢?」
「あっ..えっと..昔の将来の夢ってなんだった?」
「漫画家かなぁ」
「へぇ~漫画家、そうなんだ。でもなんで諦めちゃたの?」
「え~なんでって..でもそもそも無理でしょ。所詮子供の頃の夢だよ」
「そっか」
 
昼休み、オフィスの屋上で話す何気ない会話。
私はアイドルになりたい。と言ったら彼女はどんな顔をするだろうか。
夢に賞味期限があることを知ってしまったから。だから踏み出す。ほんの少しの勇気を持って。
 
 
 
 
 
CYNHNの4thシングル「絶交郷愁 / 雨色ホログラム」が12月12日にリリースされた。
「演じまスウィーニー」プロジェクトの第2弾で、前作に引き続きドラマ仕立てのMVになっている。演技は全員初挑戦で、雨色ホログラムでメインを務める月雲ねるは
 

と綴っていた。
確かに拙い部分もあるが、セリフの無い表情だけで魅せる演技は素晴らしく、MVの世界観にグッと引き込まれる。そして何より可愛い。ねるちゃんめちゃくちゃ可愛い。もぐもぐシーンとか暴力的に可愛い。

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それに、このねるちゃんの発言はある意味企画の本質を突いている。
この「演じまスウィーニー」という企画の本質は、個々のバックグラウンドを一番わかりやすい形でアーカイブすること。そしてMV全てに共通するテーマは"過去との決別"であり、それはデビュー曲「FINALegend」の"今までどうもありがと"に帰結する。

そう、これはプロローグにすぎないのだ。

 

 

 


月雲ねるは人を惹きつける不思議な魅力がある。なんとも漠然とした表現だが、今まで存在したどのアイドルのキャラクターにも当てはまらない魅力がある。と思ってしまうのは"推し補正"というやつだろうか。でも実際「月雲ねる」はどんな人か?という質問を投げかけたら、人によって全く違う答えが返ってるのではないだろうか。見る角度により異なる魅力を放つ。まさに"ホログラム"という単語は彼女にピッタリだ。

 

 

 

以前KawaiianTVで放送されたバラエティー番組「IDOL♡アカデミー(K・U・T )ノ爆 (ブースト) #43」にCYNHNがゲスト出演した際、月雲ねるが(MCで)喋ってくれない、とメンバーに指摘され、その喋らない理由を聞かれたときに、彼女はこう答えた。

 

「みんなが喋った方が楽しいかなと思って。」

 

CYNHNは個性派揃いで、ボケ5、ツッコミ1、MCはカオスで、百瀬怜の言葉を借りるなら、個性と個性のぶつかり合い。である。
そんな中、みんなが喋った方が楽しい。という発言も頷けるし、一歩引いて冷静にグループを見ているのも月雲ねるらしいなと思った。

 

ただこれはトークやMCでの事で、パフォーマンスとなれば話は別、ライブにおいてはメンバー全員から頼られる存在だ。というのも、月雲ねるはメンバーの中で最もステージ経験が豊富だ。彼女はCYNHN結成時点で既に2つのユニットに所属しており、一時期は3つのユニットを掛け持ちしていた。

 

その当時の心情を自身のレギュラーラジオでこんな風に語っていた。

 百瀬「掛け持ちしてたんだよねグループを。ねるちゃんは2つ既存でやっているグループがあって、そこでCYNHNを新しく結成するとき、ねるちゃん入れましょうってなってね。3つ掛け持ちをしてたんだよね、初期は」

月雲「だからなんか居ないときとかあったじゃん。だから、溶け込めてんのかな?みたいな。居場所が分からなかったけど。今は全然思わないけど」    

      2018年7月5日OA「CYNHNの歌いまスウィーニー」 

 

 

芸能経験が無い者が集まり始まったCYNHNだが、月雲ねるだけは異なる境遇にあり、他のメンバーと共有できない様々な葛藤があったのではないだろうか。

 

そして、百瀬怜の「CYNHNを新しく結成するとき、ねるちゃん入れましょうってなってね」という発言。ラジオという限られた時間の中で簡潔に説明した結果、こういう言い回しになったのかもしれないが、この部分だけ切り取ると、5人は既にグループ加入が決まっており、月雲ねるが最後に加入することが決まったようにも捉えられる言い方だ。そう考えて雨色ホログラムMVを観ると、最後、月雲ねるが既に衣装を身にまとった5人の後を追うシーンは、ものすごく意味があるように思えてくる。

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グループの在り方やバランスなど、今も昔も"みんな"のことを一番考えているのは、月雲ねるなのかもしれない。

 

雨色ホログラムMVの見どころを聞かれた彼女はこう答えた。

 


「"みんな"の笑顔を見て欲しいです。」

 

www.youtube.com

アイドル楽曲大賞2018に投票しました

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第7回アイドル楽曲大賞2018

 

■メジャーアイドル楽曲部門

 

1位 CYNHN「はりぼて」

今年一番聴いた曲。ロックでストレートなメロディーに、「あえて前に見える水溜まりに思いっきりの着地」「出来るならかすり傷くらいこのセカイにつけてみたいな」など、心くすぐる歌詞が最高。6人全員がメインをはれるだけの実力も持ち、個性的かつ芯の通ったボーカルは圧倒的アドバンテージ。容姿、キャラ、歌唱力、三拍子揃っているCYNHNはディアステージの精鋭部隊。

 

2位 sora tob sakana 「Lighthouse」

5月に発売した「alight ep」収録曲。1.2.3.4から始まる物語は、開放的で眩しくて愛おしい。

 

3位 Shine Fine Movement 「光クレッシェンド」

流麗なストリングス、落ちサビの「出遅れることなんて気にすることはないだろう」という歌詞がグッとくる。2017年デビューでLTG後発組の彼女たちが歌うからこそ響くものがある。 

 

4位 BiSH 「NON TiE-UP」

不穏なイントロから始まりオーケストラによる壮大なサウンド。そして衝撃の歌詞。最高。売れても奇抜な事をするBiSHが最高、ではなく、彼女達しか出来ない事をやっていることが最高なのだ。 

 

5位 ばってん少女隊 「無敵のビーナス」

上質なポップソング。個人的に瀬田さくらさんの声と歌い方めっちゃ好き。すごい表現力。

 

インディーズアイドル楽曲部門

 

1位 SAKA-SAMA 「終わりから」

心の隙間を埋めてくれる。もうこの曲なしでは生きていけない。シングルバージョンとアルバムバージョンどちらも良い。両方聴くことをお勧めします。 

 

2位 ・・・・・・・・・ 「Can You Feel The Change Of Seasons?」

ドッツの曲でこれが一番好きです。エモエモのエモ。 

 

3位 RYUTist 「心配性」

MVを観て泣いた。なんて尊いのだろう。10年後、20年後、たとえ形が変わっても、同じように笑っている4人の姿を見たいと思った。 

 

4位 桜エビ~ず 「リンドバーグ

今年出した曲全て良かったけど、リンドバーグが一番好き。中毒性ヤバい。

 

5位 lyrical school 「つれてってよ」

今のリリスクめっちゃ良い。それがちゃんと楽曲にも反映されている。もうワンランク上にいったリリスクが見たいので期待してます。

 

■アルバム部門

 

1位 SAKA-SAMA「It's A SAKA-SAMA World」

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2位 sora tob sakana「alight ep」

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3位 鶯籠「i cAn Fly」

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SAKA-SAMA「It's A SAKA-SAMA World」は衝撃だった。間違いなく今年ナンバーワン。
鶯籠は楽曲部門には入れなかったけど、アルバムはコンセプトがしっかりしていたので3位に。オルタナロックなんだけど上品さがあってめっちゃ好みでした。

 


■推し箱部門

 

CYNHN

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So Young~青く輝く青柳透という存在~

CYNHNの青柳透はカメラを向けられるといつだって無邪気に振る舞う。その一方で常に自分自身を客観視する、実に内省的な人だ。
 

 

彼女の魅力に気づいたのはFINALegendのMVメイキングを見た時だ。ソロカットの撮影、カメラに向かって首を傾けながらニコりと微笑む。アイドルのMVではよく見る光景。
 

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撮影した映像をモニターで確認した彼女は「アイドルだ(笑)。自分こんな顔してんだ」と。その直後イエ~イとカメラに向かっておどけて魅せる。
 

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いや、その顔して今まで自分の可愛さに気づいてなかったのか?という驚きと、アイドルがアイドルであることを自覚した瞬間を収めた、めちゃくちゃ貴重な映像だ。と唸ってしまった。

いつも明るく無邪気で、カメラを向けられるとふざけちゃうと言う一方で、
「自分が観る側であるならば、青柳透という人間に魅力を感じずに切り捨てるだろう。」と綴る。


CYNHNはディアステージに所属する6人組ボーカルユニット。DEARSTAGE×JOYSOUNDの共同オーディション、「DEARSTAGE 2016 オーディション」の受賞者で構成されている。2017年6月に結成し、同年11月にメジャーデビューを果たした。既に3枚のシングルをリリースしており、メジャーデビューを目標に掲げるアイドルも数多く存在する中で、非常に恵まれた環境であるといって差し支えないだろう。そしてメンバーは"超"が付くほどの個性派揃いであり、様々なバックグラウンドを持つ。
 
芸能界に入ることは彼女たちの人生において、最も重大な出来事であったことは想像に難くないが、自分の居場所が無く苦しんでいた者、こんな人生から逃げ出したいと願っていた者、加入後大きな決断をした者など、そういった想いを抱えていたメンバーと比べると、透ちゃんは、何というか、とても普通なのだ。高校に通い、放課後は部活をして、土日はアルバイトをして。そしてオーディションに合格して。もちろん彼女のこれまでの全てを知っている訳ではないし、言っていないことも数多く存在するだろうけど、これまでのインタビューなどを聞く限り、とても普通で、順調にここまで歩んできたという印象がある。そんな彼女が"超"が付くほどの個性派揃いのCYNHNというグループに加入し、その中で自分の魅力がわからないと葛藤する気持ちは、ごく普通の人生を送ってきた私たちには少しだけ理解できる。
 
そんな環境で日々葛藤する「青柳透という人間」は私の目にはとても魅力的に映る。
歩んできた道のりは普通でも、性格はめちゃくちゃで、変なやつだし(褒めてる)。
パフォーマンスを含めた自信を手に入れた青柳透はきっともっと魅力的だろうから、これからがとても楽しみだ。
 

 

”未完のボーカルユニット”を体現するCYNHN。その中で最もCYNHNらしい人、それが青柳透なのだ。

So YoungのMVメイキング。最後は透ちゃんのこの一言で締めくくられている。

---笑いながら進みたい。立ち止まるのは嫌だから。---